当院では看護大学などの実習を受け入れていますが、現役助産師の方も見学研修にいらっしゃいます。
先日、助産師歴数年の方が研修に来られました。
ご自身のお休みを利用しての研修です。
「母乳育児のケアは自分の苦手な分野なので、ちょっとでもより良いケアをお母さんたちに出来るようになりたいので研修に来ました。」との事でした。
来院されたお母さん方に、事前に見学させていただいても良いかどうかをお聞きしたところ承諾を得られました。
コロナ禍の中、ご協力くださりありがとうございます。
この日は、母乳分泌不足で悩んでおられる方、何回も乳腺炎になり授乳がしんどくなっておられる方の乳房ケア・授乳方法などを見学してもらいました。
彼女は、見学後に次のような感想をよせてくれました。
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今日はありがとうございました。先生の技を身近で見学させていただいたり、お話しさせていただいて、今まであり合わせの知識で行っていた授乳介助を改める機会になりました。
そして、病院で関わるお母さま方の授乳ケアをより良くできる方法はまだまだたくさんあると思いました。
目から鱗なお話ばかりで、本当に刺激的で、とても楽しい時間をいただきました。
ありがとうございます。また伺いたいです。
昨日より、より良いケアが出来るよう頑張りたいと思います。
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彼女がおっしゃっるように授乳方法はとても大事です。
適切な授乳方法が出来ないと乳首が痛い・十分な量の母乳が飲めないなどで母乳育児がしんどくなりがちです。
私は助産師として乳房マッサージの技術を向上させる事はもちろん大事ですが、それよりも各々のお母さん方と赤ちゃんにとって最適な授乳方法を提案出来るという事の方が重要だと思っています。
なぜなら授乳は毎日何回何回もする事だからです。何回もすることが自分と赤ちゃんに適した方法だと乳房トラブルはおきにくいし、トラブルになったとしても授乳で解決出来ることは多いです。
逆に不適切な授乳を繰り返すことで乳房トラブルは増えますし、授乳では解決出来ないでしょう。
乳房の大きさ、分泌の仕方は人それぞれ違います。身長も座高も違います。腕の長さだって違います。
また、赤ちゃんにも個性があります。
「吸い付かせようと乳首をお口にもっていくと吸い付く子」
「吸い付かせられるのは嫌で自分のタイミングで吸い付きたい子」など様々です。
そうなんですよ。赤ちゃんにも個性があるんです。
だから、
誰にでも
「◯分ずつ吸わせましょう。」
「自分のお腹と赤ちゃんのお腹を密着させましょう。」
「乳首を深く吸わせましょう。」
など同じ事を伝えていても、お一人お一人のお母さん方にとっては最適な授乳方法にはなり難いです。
それでは、どうしたら適切な授乳方法を提案出来るようになるのでしょうか?
それは、お母さん方に「聞くこと」です。
「乳首のどのあたりが痛いですか?」
「どんな痛みですか?」
「はさまれてるいる感じですか?」
「首や腕、背中がしんどいですか?」
「赤ちゃんと目が合いますか?」
「赤ちゃんの口元は見えますか?」
「授乳中はどんな気分になりますか?」
「嫌な気持ちになりますか?」
などなど。
お聞きするとほとんどの方は教えて下さいます。
そして、この教えて下さった事が本当に参考になるのです。
私は今までたくさんのお母さん方から多くのことを教わりました。その積み重ねがあったから今まで助産師を続けて来れたのだと思っています。
教科書で勉強することも大事ですが、お母さん方から教わった事は簡単には忘れません。
将来きっと貴方の宝物になる事でしょう。
お母さん方が楽しい母乳育児が出来きますように。
私も、あともうちょっと頑張ります。
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