母乳育児をしていると、「おっぱいのトラブル」に遭遇することがあります。
おっぱいの先の痛み、乳房にシコリが出来て痛い、乳房が痛いなど。
とても辛い事です。
そんなトラブルの原因は何でしょうか?
多くのママたちは食べたものが悪かったと思っていらっしゃるようです。
「〇〇を食べたから乳腺炎になった。〇〇を食べたから白斑が出来た。」などなど。
確かに食べ物が原因の事もありますが、トラブルの原因は「授乳」にもあります。
「おっぱいの先に負担をかけるような授乳をしている」と乳房トラブルになりやすいのです。
負担のかかる授乳にはいくつかあります。
そのひとつが「吸わせすぎ」です。
今日はその「吸わせすぎ」についてお話します。
「吸わせすぎ」には、
「長い時間吸わせ続ける」
「頻回に吸わせる」
などがあります。
ママたちはおっぱいは吸わせれば吸わせるほど、おっぱいの出るところ(排乳口)の開通が良くなると思っていらっしゃるようですが、限度を超えると全く逆の結果になる事があります。
吸わせすぎる事によって、おっぱいの出る排乳口周辺が傷んでしまい、排乳口が狭く細くなり詰まりやすくなります。場合によっては白斑が出来る事もあります。
そうなってしまうと、ちょっと甘いものなどを食べすぎただけで排乳口が詰まってしまい、出られなくなった母乳が乳房内に残って「シコリ」などのトラブルを起こしやすくなります。
長い時間吸わせる、頻回に吸わせるなどをしすぎない事で、それほど食事を我慢しなくてもトラブルを起こしにくくすることが出来るのです。
私は開業してから授乳中の食事についてママたちに細かくお話ししていました。
けれども、食事を頑張って我慢していてもトラブルを繰り返すママたちは多かったですし、食べられないということはとても辛い事でありストレスにもなっているようでした。
そんなママたちを見て、「食べたいものを食べてもおっぱいトラブルを避ける方法はないのか?」を考えてきました。
当院にいらっしゃった多くのママたちに協力してもらい試行錯誤の結果、「おっぱいの先に負担のかからない授乳」をすることで、おっぱいトラブルをある程度防ぐ事ができるとわかりました。
やみくもに食事を制限するだけでは、トラブルが解消されないだけでなく、ストレスもたまってしまいます。栄養不足となってトラブルを繰り返したり長引いたりする事もあります。
授乳は毎日何回もする事です。
毎日何回もすることはそのやり方が大切です。
例えば、姿勢・歩き方が健康に影響を及ぼすように。
おっぱいの先に負担のかからない授乳をすればトラブルが防げるだけでなく身体にも気持ちにも良い影響があります。
過度の食事制限をしなくても楽しい母乳育児が可能となるのです。