研修生

3年ほど前から年に1回、北海道は札幌市から助産師の方が当院に研修に来られます。
最初、私は何かの用事のついでにいらっしゃるのかと思っていたのですが、当院での研修が目的との事。

それを聞いた時、とても驚き、身の引き締まる思いがしました。
彼女の貴重な時間を無駄にしてはいけないので、私も気合を入れて出迎えます。

先日も1年ぶりに大阪へ。当院には昼過ぎに到着。そして、翌日の午前中で研修を終えて空路北海道へ。
風のように去って行きました。
今回も、彼女から素敵なパワーをもらいました。

彼女を見ていると恩師の桶谷先生(桶谷式乳房治療手技の創始者)に初めて出会った時の事が思い出されます。
それは、40年くらい前、私が助産婦学校に入学してしばらくした頃でした。

同級生の友人がどこかから「富山県の高岡市という所にすごい乳房マッサージをする助産婦さんがいる(当時は助産師ではなく助産婦という名称でした)」と聞いて来ました。

私たちは「どんなマッサージなんだろう?」「痛くないって本当なのかな?(←当時は乳房マッサージは痛くて普通だと思われていました)」と話し合っているうちに、「どんな乳房マッサージなのか見たいね。」という事になり、「桶谷先生のところに行って見学させてもらおう」という結論に達しました。

そして、桶谷先生のご自宅に電話をかけて見学させてほしいとお願いしたのです。

桶谷先生は、見ず知らずの助産婦学生の突然の申し出にもかかわらず、快く受け入れて下さいました。
そして、友人と二人で冬休みに何日かお世話になりました。

先生の軽やかで力強くて優しくて美しい手の動き、笑顔で心地良さそうに手技を受けるお母さま方。美味しそうにおっぱいを飲む赤ちゃんたち。全てが驚きと感動の連続でした。

その後、桶谷先生のところで勉強する機会に恵まれ現在に至っています。
私たちを受け入れて下さった先生の懐の深さに感謝の気持ちでいっぱいです。

私も、初めて出会った時の先生の年齢に近づいて来ました。
これからも先生から学んだ事を微力ながら若い世代に伝えていけたらと思っています。

もう一つの実習

NPO法人・青少年自立支援施設淡路プラッツhttp://www.awajiplatz.com/


当院では看護大学の実習生を受け入れていますが、それとは別の実習も受けています。それは「トライアルジョブ」です。

「トライアルジョブ」は、私の知人が運営しているNPO法人・青少年自立支援施設「淡路プラッツ」の事業の一つです。
引きこもりの若者の社会参加(自立・就労)支援を目的として、アルバイトなどもほとんど経験したことのない若者たちが「就労体験」をすることで、実際の就労につなげてゆくという趣旨で行われています。

当院では、10年前よりトライアルジョブを希望する青少年(女子のみ)を受け入れており、事務作業・清掃などをしてもらっています。私も一緒に作業をすることも多いのですが、それがとても楽しいんです。 

なぜ、そんなに楽しいのか?もちろん彼女たちが可愛いからっていうのもあるんですが、私は病院勤めの5年間以外35年間ずっと一人で仕事をしてきたので、誰かと一緒に作業するという事が新鮮なんやなって思います。

大掃除などの時も私が疲れてしまって「もうこのくらいで終わろう」とくじけそうになっても「あともうちょっとやから」と励ましてくれたり。そういうのが本当に新鮮で。

何気ない会話をかわしながら、時には「オヤジギャグ」を飛ばしながら(←笑ってくれるんです〜 ^^; )楽しんでやっています。

淡路プラッツの事業が広がって、実習生を受けいれる事業所が増えていけば良いなと思います。

※淡路プラッツは平成22年度若者自立支援功労団体厚生労働大臣表彰を受賞しました 。

実習

先日は看護大学の実習日でした。
今回は、病院の産婦人科の実習を終えた女子学生2名です。
実習の日は、来院されるお母さん方に見学させてもらっても良いかどうかをお聞きします。承諾を得ることが出来たら、日頃私が行っているおっぱいのケアなどを見学してもらいます。当院にいらっしゃるお母さんたちのほとんどは、母乳育児が行き詰まって来られるのですが、看護学生にご自身の体験をお話して下さる方が多いです。

「出産したら普通に母乳が出て赤ちゃんはゴクゴク飲んで成長するものと思っていたけれど、うまく吸い付けなくて泣き叫ぶ赤ちゃんを抱っこして途方に暮れた」
「他のママたちは軽々と授乳しているのに、自分はうまく出来ない。皆が普通に出来ていることが出来ない。自分はダメなママだと思い落ち込んだ。」
「それでも一生懸命吸わせていたら、おっぱいの先が痛くなり、あまりにも痛くて授乳したくない。授乳が苦痛、授乳が怖いと思ってしまう。」
「でも、赤ちゃんはお腹が空いてずっと泣いている。赤ちゃんに満足に母乳を飲ませてやれないんだってまた落ち込んだ。」「こんなママでごめんなさいって思った。」

お母さん方のお話に真剣に耳を傾けている彼女達を見ていると、私が何時間も講義するよりも、はるかに多くの学びがあるのだと思います。
私にとっても、実習生が来る日は助産師になりたての頃に戻れる貴重な時間になっています。
実習にご協力下さった皆様ありがとうございます。